続)2人の自分 〜心の中にいる「もう一人の相棒」と生きる心理学〜
前回、「自分の中に別の自分がいる」という話をしましたが、ふと、もう一人がいるの?
っと聞くと、「それって多重人格(解離性同一性障害)とは違うの?」と疑問に思うかも
しれません。そう思うのも、自然のことかもしれません。
結論から言うと、これらはまったく異なる現象です。
一番の大きな違いは、「意識がつながっているか(記憶があるか)」、
そして「自分でコントロールできているか」という点にあると私は考えています。
わかりやすいように表にして、比較してみました。
(私の私見も入っていると思いますので、私個人の見立てとして参考にしてください)
|
項目 |
心の中の相棒(自己対話・メタ認知) |
多重人格(解離性同一性障害) |
|
記憶の共有 |
すべて繋がっている。 もう一人の自分と話した内容や、その時の記憶はハッキリある。 |
途切れていることが多い。 別の人が出ている間の記憶がなく、「気づいたら知らない場所にいた」ということが起きることがある。 |
|
主導権 |
常に「本来の自分」が主人。 もう一人の自分は、あくまで相談相手や客観的な視点。 |
人格が交代する。 別の自分が身体のコントロールを完全に奪うため、その間は本来の自分が消えてしまうという場合がある。 |
|
発生の理由 |
心のバランスを保つため、健康的に機能している防衛本能。 |
耐えがたい過酷なトラウマから心を守るために、やむを得ず精神を切り離した状態と考える。 |
|
日常生活へ の影響 |
むしろ心が安定し、冷静な判断ができるようになる(プラスの影響)。 |
記憶が飛んだり、人間関係に支障が出たりして、本人が深く困惑・苦痛を感じる場合もある。 |
〇なぜ「心の中の相棒」は安全なのか?
心の中にいるもう一人の自分は、あなたという「一つの人格の木」から伸びた、
別のはっぱや枝のようなものだと考えています。そう考えると、根っこ(意識や記憶)は
同じ場所でしっかり繋がっているのがイメージ付くと思います。
あなたが落ち込んだときに「大丈夫だよ」と声をかけてくれるのは、あなたがピンチ
の時に、脳が自動的に「客観的で優しい視点」を立ち上げて、あなた自身をケアしよう
としてくれているからです。 そんな感覚ありませんか?そう考えると脳の機能ってすごい
事ですね。
一方で多重人格の場合は、過度なストレスによって「人格の木」そのものが根元から
いくつかにパカッと割れてしまい、お互いの存在や記憶が行き来できなくなってしまっ
ている状態だと私は考えています。
ですので、自分の中に寄り添ってくれる存在がいて、それによって心が救われていたり、
冷静になれているのであれば、それは多重人格ではなく、「非常に質の高いセルフケア
(自己対話)ができている状態」と言えます。
安心して、その心の中の相棒を大切にしてあげてください。
今、ニュースでは、若い世代から、高齢者まで、巻き込まれる悲惨な事件、事故が
報道されています。また日常生活でも、物価高騰や、クマの被害、地震や山火事、
他国の戦争の影響など私たちは知らず知らずのうちに、情報によって、一喜一憂しています。
そんな中で、自分らしく生きることがとても大事になって来ています。
今一度、自分に優しくなれる時間を持ってほしいと思います。自分に余裕ができた時
周囲の人にも優しくできると思います。そんな人で世の中があふれるようにしたい
ものですね。











