「秋の夜長に、心を整える」
夏の賑やかさが去り、空気が澄み渡る秋。
多くの人がこの季節になると、なんだか気分が落ち着き、
物思いにふけったり、集中力が増したりするのを感じることと思います。
ふと、この「秋の落ち着き」は、単なる気のせいなんだろうか?
何かそうなるように、実は私たちの心と体に起こる自然な変化が深く関わって
いるのではないか。本能的なものとか。そう思ったので早速調べてみました。
どうやら科学的な側面と、感性的な側面の両方があるようでしたので、紹介します。
〇「秋の落ち着き」をもたらす二つの要因について
1. 脳と自律神経の変化:活動モードから休息モードへ
私たちの体は、季節の変化に敏感に反応するようになっています。
特によく知られている自律神経(交感神経と副交感神経)の働きが大きく関わっています。
暑い夏は、体を活動モードにする交感神経が優位になります。
これにより、常に気が張った状態が続き、夏バテのような疲労を感じやすくなります。
一方で、秋になり気温が下がり始めると、自律神経は休息モードを司る副交感神経が
優位になり始めます。
ただし、最近では季節の変わり目の急激な寒暖差や気圧の変化で自律神経を乱し、
「秋バテ」も見られているようです。
体のしくみから見ると、気分を安定させる神経伝達物質でお馴染みのセロトニンは、
日光を浴びることで分泌が促されます。しかし、秋は日照時間が短くなるため、セロ
トニンの分泌が減少しこれが「秋の感傷」や「寂しさ」につながることがあるとされ
ているようです。
ということは、体が無意識に環境に反応しているということになります。
当の私はというと、マインドフルネスの一つの呼吸法で意識の集中と、気分をリラッ
クスさせていますので、夏、秋に関係なく穏やかな時間を作ることができています。
2. 自然と文化の感化:内省を促す環境の変化
次に、科学的な変化だけでなく、秋の独特な環境も私たちの心に大きな影響を与え
ると思います。
天気のいい日に、外出して山々や木々に目を向ければ、赤や黄色に色づく紅葉のグラ
デーションは、視覚から私たちに静かな感動を与えます。この美しさは、心がざわつく
のを鎮め、穏やかな気持ちにしてくれます。
また夏の湿気から解放された澄んだ空気と、朝晩のひんやりとした冷気は、五感を
研ぎ澄まします。深呼吸をするたびに、心が洗われるような感覚を覚える人も多いこ
とでしょう。
更に、「読書の秋」「芸術の秋」といった言葉があるように、秋は内省や創作活動に
適した季節です。猛暑の夏を乗り越え、ホッと一息つくタイミングでもあり、精神的
な余裕がこういった所に生まれやすいと思います。
いくつかあげましたが、これらの要因が複合的に作用し、私たちの心に静かで、深みの
ある落ち着きをもたらしてくれるのが秋の季節というわけです。
秋になると紅葉を見たくなるというのは、どこかでこういった刺激を欲しているので
しょうね。
そこで、今年の秋にやってみようと思ったこと
- 天気のいい日は散歩をしよう。そして夜空を眺める時間を作ろう
- 静寂の夜の時間は、照明を少し落として、ゆっくりとした時間を過ごそう
- ホットなミルクや、香りの立つ紅茶や、抹茶などを飲んで体の中を温めよう
- ゆっくり湯船につかってから、寝よう
猛暑の夏がやっと終わり、心と身体を整える時間をじっくり取るのも大事なことですね。



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