会社へのエンゲージメントと従業員のウェルビーイングの優位性について
活き活きと働く組織を創る!
従業員エンゲージメントとウェルビーイングの相乗効果
近年、企業の持続的な成長において、「従業員エンゲージメント」と
「ウェルビーイング(Well-being)」が最重要キーワードとなっています。
これらは単なる流行語ではなく、企業の競争優位性を確立するための重要な戦略とも言えます。
今回は、この二つの要素がなぜ重要なのか、そしてどのようにして相乗効果を生み出すのかを
ちょっと長くなりますが、解説したいと思います。
〇従業員エンゲージメントとは?
従業員エンゲージメントとは、
「従業員が所属する会社や組織に対して、自発的に貢献したいという意欲や愛着を
持っている状態」
を指します。
・単なる「満足度」との違い:
従業員満足度(ES)は、給与や福利厚生など「与えられたものへの満足」を示すのに対し、
エンゲージメントは、「組織の成功のために自ら積極的に関わる姿勢」という、より深い、
双方向的な関係性を意味します。
【エンゲージメント向上の優位性】
- 生産性の向上: 貢献意欲が高い従業員は、自律的に考え、行動するため、業務の質と
スピードが向上します。
- 離職率の低下: 組織への帰属意識が高まり、「この会社で働き続けたい」という
気持ちが強くなるため、優秀な人材の流出を防ぎます。
- 顧客満足度の向上: 活き活きと働く従業員は、より良いサービスや製品を提供し、
結果として顧客体験の向上につながります。
これらがエンゲージメントがあがることで、得られる優位性となります。
〇従業員のウェルビーイングとは?
ウェルビーイング(Well-being)は、
「肉体的、精神的、社会的に満たされた状態」、つまり「幸福で健康的な状態」
を意味します。仕事の場においては、単に病気でないというだけでなく、
仕事を通じてやりがいや生きがいを感じ、自己実現できている状態も含みます。
【ウェルビーイング向上の優位性】
- 心身の健康維持: ストレスの軽減やメンタルヘルスの改善につながり、病欠率や
休職率の低下に貢献します。
- 創造性・イノベーションの促進: ポジティブで健康的な状態は、新しいアイデアや
挑戦を促し、組織全体の創造性を高めます。
- レジリエンス(回復力)の強化: 困難な状況に直面しても、ポジティブな状態を維持
しやすく、組織の危機対応能力を向上させます。
これらがウェルビーイングの優位性となります。
少し両者に意味合いが違うのがお判りでしょうか
〇エンゲージメントとウェルビーイングの強力な相乗効果
エンゲージメントとウェルビーイングは、個々に優位性を持つだけでなく、相互に
作用し合い、その効果を最大化します。
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関係性 |
作用 |
具体的な効果 |
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ウェルビーイング → エンゲージメント |
従業員が健康で幸福だと、仕事に情熱と活力を注ぎやすくなる。 |
仕事への集中力・熱意が高まり、ワークエンゲージメント(仕事への熱中度)が向上する。 |
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エンゲージメント → ウェルビーイング |
組織に貢献している実感や、仕事への手応えがあると、精神的な満足感が満たされる。 |
自己肯定感や精神的な充実が高まり、ウェルビーイングが強化される。 |
つまり、企業がウェルビーイングへの投資
(例:健康プログラム、柔軟な働き方、心理的安全性のある職場づくり)を行うと、
結果として従業員のエンゲージメントが高まり、それがさらに企業の業績向上へと
つながるポジティブな循環が生まれるのです。
〇企業が今日からできること
この相乗効果を活かすためには、以下の施策を検討してみてはどうでしょうか。
・現状把握の実施: エンゲージメント調査やウェルビーイング診断(メンタルヘルス
チェックなど)を通じて、従業員の現状を正しく把握する。
・心理的安全性の確保: 失敗を恐れずに意見を言える、ハラスメントのない職場環境を
作る。
・柔軟な働き方の推進: リモートワークやフレックスタイム、時短労働の導入など、
個々のウェルビーイングに配慮した働き方の選択肢を提供する。
従業員のウェルビーイングとエンゲージメントへの投資は、単なる「コスト」ではなく、
【企業の未来への最も重要な「投資」】です。
この相乗効果を最大化し、持続的な成長を目指しましょう。



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