比較することって、良いこと?悪いこと?
人はなぜ「比較」したくなるのでしょうか?
私たちは日々、意識的あるいは無意識のうちに様々なものを比較しています。
友人の新しい車、同僚の昇進、SNSで見る華やかな生活・・・。
「なぜこんなにも人は自分と他人と比べたがるのだろう?」と、
ふと疑問に思ったことはありませんか?
比べるについて、少し掘り下げて考えてみたくなりました。
〇比較するのはどういったことがあるのかいくつかあげてみます。
1.比較する心理がはたらくから:
進化の産物かもです?人間が比較する行為は、私たちの生存戦略(生き残っていく手段)と
深く関わっていると考えられています。動物も似たようなことあるので、なんとなく
わかると思います。
2.自己評価の基準のため:
自分自身の能力や状態を客観的に評価する上で、他者との比較は不可欠な手段です。
例えば、集団の中で自分がどれくらいの強さやスキルを持っているのかを知ることで、
自分の立ち位置や取るべき行動を判断する指標になりえます。
3.向上心と競争の原動力のため:
他者よりも優位に立ちたいという欲求は、内発的動機として原動力の一つです。
比較することで、自分の足りない部分や改善点を見つけ、より良い結果を出すための
モチベーションに繋がります。
4.社会性の維持:
集団生活を送る上で、他者との関係性を理解し、協調していくためには、
相手の状況を把握し、自分との違い(比較することで)を認識することが重要となります。
現代社会における「比較」の加速や情報化社会の進展は、私たちを取り巻く
「比較」の環境を大きく変えてきたと思います。
5.SNSの普及:
InstagramやXなど、SNSは他者の生活や活動を見る機会を劇的に増やしています。
多くの人が「最高の瞬間」を切り取って発信する場であるので、無意識のうちに
そうした他人のキラキラした部分ばかりを見てしまいがちになります。
これにより、「自分はなんて恵まれていないんだ…」と劣等感を感じる流れに
繋がりやすくなっています。
6.情報過多:
広告やメディアもまた、常に「理想の姿」を提示し、私たちに
「もっと良いもの」、「もっと満たされるべきもの」、 があると感じさせます。
時に、ネガティブなものを見せて、いい方を選択するような誘導めいたこともあります。
情報は発信の仕方で、フェイクがあるので操作されないように注意が必要です。
こうやって見てみると、比較とどう向き合うか・・
比較する行為そのものが悪いわけではありません。
前述しましたが、健全な比較は、自己成長や目標達成の原動力にもなり得ます。
問題なのは、比較によって自分を追い詰めたり、劣等感に苛まれたりすることです。
では、比較することに振り回されないようにするにはどうしたらいいか以下にあげてみます。
〇比較の対象を選ぶ:
無意識に「上」ばかりを見るのではなく、自分の成長を促してくれるような対象や、
等身大の自分と比較することが大事です。
上手に比べて、「よし頑張ろう」を踏み出せるような前向きな気持ちになれると思います。
〇自分の価値基準を持つ:
情報そのものを真に受けたり、他人の「モノサシ」で自分を測るのではなく、
自分が何を大切にしたいのか、どんな状態が理想なのかを明確にしましょう。
〇「ないもの」ではなく「あるもの」に目を向ける:
他人と比較して「自分にはないもの」にばかり焦点を当てがちになります。
今すでに持っているものや、これまでの努力に意識を向けることで、
自分のいいところを見つけて、自己肯定感を高めていくといいでしょう。
〇デジタルデトックスも有効:
SNSなど、比較の材料となりやすい情報から一時的に離れることも、
心の健康には非常に有効です。スマホやPCをちょっと手放して、
自然に触れたり、体を動かしたりしてもリフレッシュできて、
脳が活性化されるのもいいでしょう。
ここまで長々と書いてきましたが、まとめると
私たちは社会的な生き物である以上、完全に比較から逃れることは難しいと思います。
しかし、比較のメカニズムを理解し、その向き合い方を知ることで、より穏やかで充実した
毎日を送ることができると思います。
あなたにとって、「健全な比較」とはどんなものでしょうか?
ぜひ考えてみてください。
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