距離感ってどう感じていますか?
今回は距離感と心理的安全性について少し話してみます
〇距離感と心理的安全性について
人間関係で、「距離感」という言葉はよく使われているのはご存じかと思います。
この「距離感」には、2つあると思っています。物理的な距離と、心理的な距離です。
そして、この「距離感」が、私たちの「心理的安全性」に深く影響を与えていることも
ニュースなどで、事件も見聞きしているので、ご存じだろうと思います。
ここでの心理的安全性とは、簡単に言えば、会社や、学校など組織の中で、自分の意見を
発言したり、質問したり、あるいは間違いや、失敗をしても、不利益を被る心配がない状態を
指します。心理的安全性はチームの成功に最も重要な要素の一つとして挙げられています。
では、この距離感と心理的安全性はどのように結びついているのかあげてみます。
1.物理的距離と心理的安全性
リモートワークが普及した昨今、物理的距離の影響はより顕著になってきたと考えています。
物理的距離が遠すぎる時と近すぎる時でデメリット、メリットを下記に示します。
〇物理的距離が過度に遠すぎる時:
・デメリット: コミュニケーションの機会が減り、相手の表情やニュアンスが伝わり
にくくなると思います。その結果、誤解が生じやすくなったり、
お互いが孤立感や疎外感を抱きやすくなると思います。
それに伴いチームの一員としての帰属意識が薄れ、心理的安全性が
低下する可能性があると考えられます。
・メリット: プライベートとの境界線が明確になり、集中しやすい環境を構築できる
場合もあります。ただこれは稀な状況であって、心理的安全性とは異なる
側面も多々あると考えます。
〇物理的距離が過度に近すぎる時:
・デメリット: プライベートな空間が侵害されていると感じたり、常に監視されている
ような感覚に陥ったりすることがあります。息苦しさを感じ、自由に
発言したり、行動したりすることへの抵抗感が生まれる可能性があります。
・メリット: コミュニケーションが密になり、協業がスムーズに進むこともあります。
しかし、心理的安全性を高めるためには、適切なプライバシーの尊重は
不可欠です。
2.心理的距離と心理的安全性
物理的な距離以上に、人間関係に大きな影響を与えるのが心理的距離です
こちらも遠すぎる時と近すぎる時でそれぞれあります。
〇心理的距離が過度に遠すぎる時:
・デメリット: 相手との間に信頼関係が築きにくく、本音を話しづらくなります。
助けを求めたり、困っていることを相談したりするハードルが高くなり、
心理的安全性が極めて低い状態と言えると思います。
・メリット: これも稀にですが、個人の独立性が保たれ、干渉を受けにくいという側面も
ありますが、これも心理的安全性とは別の話だと思っています。
〇心理的接近が過度に近すぎる時:
・デメリット: 相手との境界線が曖昧になり、依存的になったり、一方的に負担を
負ったりすることがあります。また、相手の意見に流されやすくなったり、
自分の意見を主張しづらくなったりすることもあります。ハラスメントや
いじめの温床となる可能性も否定できないと思います。
・メリット: 深い信頼関係が築かれ、お互いを理解し支え合える関係性を築くことができます。
しかし、これが健全な心理的安全性につながるかどうかは、個々の関係性や
状況に大きく依存する場合があるので、要注意です。
3.健全な距離感とは?
では、心理的安全性を高めるために、どのような距離感を意識すれば良いと思いますか?
それは、「相手を尊重し、適度なプライバシーを保ちつつ、必要な時に助け合える」
という状態が保てる距離感だと私は思います。
何か、親しき中にも礼儀ありみたいな感覚にもなりますが、必要なことのように思います。
具体的に、どのような意識をもつといいのか、以下のような点が挙げられると思います。
・相手の意見を傾聴する:
自分の意見を押し付けるのではなく、まずは相手の考えや感情を理解しようと努める。
・非難や攻撃を避ける:
建設的なフィードバックを心がけ、人格を否定するような言動は避ける。
・感謝の気持ちを伝える:
小さなことでも感謝の気持ちを言葉にすることで、ポジティブな関係性を築くようにする。
・適切な自己開示を行う:
自分の弱みや感情を適度に開示することで、相手との距離を縮め、信頼関係を深る。
・境界線を尊重する:
相手の個人的な空間や時間に配慮し、無理に踏み込まないようにする。
・定期的なコミュニケーションを心がける:
リモートワークの場合は、意図的に雑談の時間を設けたり、ビデオ通話を
活用したりするなど、コミュニケーションの質と量を意識することが重要ですね。
まとめ
距離感は、人間関係の質と心理的安全性を左右する重要なファクターということが
イメージできたかと思います。
物理的な距離も心理的な距離も、どちらも「適切であること」が求められています。
健全な距離感を意識し、相手を尊重する姿勢を持つことで、私たちはより安心して
自分らしくいられる関係性(居場所)を築くことができると思います。
それは、職場でも家庭でも、そして友人関係においても、私たち自身の幸福感と
パフォーマンス向上にきっと繋がるはずです。
ぜひ、今日から皆さんの周りの人々との距離感について、少しだけ意識を向けてみてください。
ただし、急に近寄ったり、離れたりすると、相手はどうしたんだろうって感じるかもです。
まあ、その反応こそが距離感を意識したという率直な反応ということになります。
話すきっかけ作りにもなることもあるかもですね。
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